最近、家を購入したいと考えている人々の中で、「将来的に価値の下がりにくい家を探している」という要望をよく耳にします。
確かに、住宅ローンを返済しながら一生懸命に家を購入するのに、価値がどんどん下がっていく家を選ぶのは理にかなっていないように感じられます。
私も家を購入すべきか、それとも賃貸にすべきか、迷っている状況です。
周りの人々が一斉に家を購入し始めている中、私だけが迷っています。
家の購入を踏み切ることができない理由があります。
そこで、この記事では家を「購入するべきか、賃貸にするべきか」という問題について、筆者の考えをお伝えします。
この記事を読むことで、あなた自身が家を購入するか賃貸にするかを判断するための材料が得られるでしょう。
購入のメリットは金銭面
住居を賃貸するか購入するかを比較すると、トータルで考えると購入した方が金銭的には安くなります。
賃貸では得られないこの経済的なメリットは大きいです。
賃貸住宅の中で安い物件に引っ越した場合、賃貸の方が借りるコストが安くなることもあります。
しかし、同じような家に住んで同じような生活をする場合、一般的には購入した方が基本的には安くなります。
ただし、高価な住宅を無理して購入してしまうと住宅ローンの支払いが大変になり、以前の賃貸生活よりも生活が困難になる人もいます。
しかしこのような人は、購入する物件の選択を誤ってしまっただけであり、適切な物件を購入していれば、基本的には毎月の住居費が購入の方が安くなります。
また、新築の物件を購入する場合、住むのがとても気持ちが良いという利点もあります。
気持ちが良いというのは最初だけ
ただし、新築物件は最初の数年間は良い気分を味わえますが、そのメリットは長くは続かないことに注意が必要です。
周囲からは「新しくて素敵だね」と羨ましがられる期間はせいぜい5年程度です。
また、日本の不動産市場では、築年数が経過すると物件の価値がどんどん下がる傾向にあります。
購入時の価格で売却しようとしても、ほとんどが満足な価格で売れません。
そのため、新築物件を購入する気になれない人が多いのも納得です。
住宅の価値が次第に下がっていくことに見合うように、一生かけて住宅ローンを返済することは魅力的ではありません。
また、あなたが購入した家も、将来的にはあなたの子供たちによって売却される可能性が高いです。
相続のタイミングで売却することが多い
実際に、最近では親の不動産を相続するタイミングで売却するケースが増えています。
核家族化が進み、親と子供が別々に暮らしているため、相続した家は必要なくなり、売却されるのです。
そのため、家は一生懸命購入したものでも、次の世代に引き継ぐ資産とは言えません。
それでも、購入者が多いのは、絶対的なメリットがあるからです。
家を購入した方が、結局はお得だということです。
家の購入には他にもさまざまなメリットがありますが、最終的には経済的なメリットのみが存在すると言えます。
お金の面だけを考えるのであれば、迷わず購入する方が良いと言えます。
重要なのは将来の夢
近年、ネット上で「サラリーマンは現代の奴隷である」という言葉をよく目にすることが増えています。
この表現は非常に批判的な意味を持っており、私はこれを非常に問題な表現だと考えます。
このような表現が広まると、未来の子供たちは希望を持つことができなくなってしまいます。
彼らにとって、社会に出ることは奴隷になることだというイメージが浸透してしまうのです。
ただし、奴隷という言葉を使わなくても、ブラック企業という言葉が普及し、昔のような「サラリーマンは気楽な仕事だ」というイメージは完全に失われているのは事実です。
このような状況の中、何人かはいつかサラリーマンを辞めて、独立することを考え始めています。
身の回りにも、週末には市民活動に参加し、独立を目指して人脈を築いたり、勉強したりしている人々がいるかもしれません。
現代では、サラリーマンという生き方だけが唯一の選択肢ではなくなっていますので、独立を目指し、人脈を広げたり勉強したりすることは非常に良いことだと言えます。
独立は家購入の足かせになる
もし独立を考えている場合、家を購入することは確かにネックとなります。
住宅ローンを抱えてしまうと、会社を辞めることはできません。
転職はできるかもしれませんが、結局はサラリーマンのままということになります。
特に日本では、ほとんどの人が新卒で入社した会社が一番良いとされています。
転職をしても給料が下がることがほとんどなので、サラリーマンを続けるのであれば、現在の会社にしがみつく方が良いという判断になります。
一方、サラリーマンを辞めて独立する場合、収入は不安定になります。
一方、住宅ローンの支払いは安定しています。
収入が不安定なのに、支出だけが安定している生活は非常に苦しいものになります。
また、家を購入すると環境の変化に対して弱くなります。
賃貸の場合、収入が減れば家賃の安い場所に移るという柔軟な対応が可能です。
また、店舗なども賃貸でオープンすることが一般的ですが、賃貸であれば業績が悪化すればすぐに撤退することもできます。
これは個人の場合でも同様です。
独立を考えているのであれば賃貸のほうが良い
大きな環境の変化がある場合、たとえば独立するという夢がある場合には、購入するよりも賃貸の方が適しています。
もし、あなたがサラリーマンを辞めて独立したいという夢を抱いているのであれば、家を購入することは避けるべきです。
夢を実現してから家を購入することは遅くないと言えます。
重要なのは、あなた自身の夢なのです。
私たちはあえてお尋ねします。
「あなたの夢とは何でしょうか?」もし、あなたが一国一城の主になりたいという夢を抱いているのであれば、家を購入することは控えた方がいいでしょう。
あなたの夢に比べれば、家を購入することは些細なものです。
家を買うことが、あなたの夢を諦めることにつながらないように努めてください。
家の購入には経済的な利点がありますが、その利点は「一生サラリーマンである」という前提を基にしています。
もし、その前提が成り立たないのであれば、無理して家を購入することはオススメできません。
40歳を過ぎたら購入をやめる事も考える
住宅ローンを考える際には、年齢を重要な要素として考慮する必要があります。
40歳を過ぎると、住宅ローンを組むことを諦めるという選択肢も考えられますが、住宅ローンには注意が必要です。
これは非常に複雑な取引です。
一般的な考え方では、年齢が上がって収入が増えた後で住宅ローンを組むほうがより有利な条件での取引ができるように思われるかもしれませんが、実際のところそうではありません。
理想的な借り方は「30歳の時に35年ローン」
住宅ローンの最も良い借り方は、「30歳の時に35年ローンを組む」という方法です。
この選択の理由は、2つあります。
まず第一に、完済年齢が65歳となることです。
住宅ローンは、完済を目指すべきです。
なぜなら、65歳以上になると年金生活が始まりますが、その時に住宅ローンの返済を続けることは現実的ではありません。
また、現在一般的な住宅ローンの商品では、最長でも35年が限界です。
住宅ローンは長期で借りると、毎月の返済額が少なくなり、家計が楽になります。
もし40歳で65歳までに完済することを目指すと、25年ローンになってしまい、毎月の返済額は増え、負担も重くなります。
40歳で35年ローンを組む人もいるかもしれませんが、実際には65歳までに完済するために繰り上げ返済を頑張ることになりますので、結局は25年ローンと変わりません。
65歳の定年を意識して住宅ローンを組む
今の状況では、多くの方が定年になる65歳までに住宅ローンの返済を完了する必要があります。
ですから、年齢が上がるほど住宅ローンは不利になり、家を購入することが難しくなってきます。
さらに、サラリーマンの場合は役職定年もあるため、50代後半からは年収が減るケースも多いです。
この時期は、理想的には子供が大学を卒業しており、老後の貯蓄のために最後のスパートをかける時期になります。
しかし、50代後半で一生懸命に繰り上げ返済をしてしまうと、最後のスパートの時期に貯蓄を積むことができません。
賃貸のデメリットは老後
賃貸の最大のデメリットは、将来の老後を考える場合に特に顕著です。
老後には持ち家の方がコストが安くなるため、年金生活者の場合、家を持っていることが有利です。
ただし、快適な老後を送るためには、住宅ローンが完済されていることが前提となります。
老後の生活費や住居には大きな負担がかかります。
家賃は毎月の支払いが必要ですが、持ち家の場合はローンの返済が必要で、老後には年金収入だけで生活しなければなりません。
賃貸の場合、老後も家賃を支払い続ける必要がありますが、持ち家の場合は住宅ローンが完済しているため、住むだけである程度のコスト節約ができます。
また、持ち家の方が老後には安心感もあります。
賃貸の場合、家主が借り主を変更する場合もあるので、住み慣れた環境を保つことが難しいかもしれません。
しかし、持ち家の場合は、自分の好きなように住まいをカスタマイズしたり、思い出の詰まった場所として長く住み続けることができます。
ただし、家を持つためにはそれなりの費用がかかります。
住宅ローンの返済や修繕費、地域の税金などがありますので、将来の老後を見据えた上で計画的に財政を整理する必要があります。
そのため、若いうちから資金計画を立て、それに基づいて適切な住宅ローンを組むことが重要です。
最後に、老後の住まいに関しては人それぞれの価値観や状況によって異なるため、必ずしも持ち家が全ての人にとって最適とは言えません。
賃貸の方が柔軟性があり、移動や環境の変化に対応しやすいなど、メリットもあります。
ですので、老後の住まいを選ぶ際には自身のライフスタイルや経済状況を考慮し、それぞれの選択肢を慎重に検討することが大切です。
子供が独立したら2DKのコンパクトマンション
賃貸住宅を選択している人には、子供たちが独立した後、退職前に夫婦で暮らせる2DKのコンパクトマンションを購入することをおすすめします。
このような小型の2DKマンションは、約2,000万円で購入することができます。
中古のマンションであれば、1,000万円未満の物件も見つけることができます。
賃貸住宅に住んでいる人は、ボーナス返済などの負担がないため、貯金しやすい状況にあります。
そのため、賃貸住宅を選択している人は、将来的にコンパクトマンションを購入するだけの資金を貯めるように心がけましょう。
借金をしないでキャッシュで家を購入すれば、老後の心配はありません。
現在広い家を購入しても、子供たちが巣立った後は余分な部屋は必要ありません。
不要な部屋を抱えることで無駄な固定資産税の支払いをするくらいなら、将来的に小さいマンションを購入して、無駄なく快適に暮らす方が賢明です。
賃貸住宅を選んでいる人にとって最大のデメリットは老後のことですので、現役時代に老後のための小さい家を買うぐらいの貯金をしておくことをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
家を購入するか賃貸するかについて詳しく解説しました。
もしもあなたがこの記事を最後まで読んでいるのであれば、おそらく購入についていくつかの疑問をお持ちの方かもしれません。
その疑問は、全くの的外れではありません。
なぜなら、家を購入することが必ずしも最善の選択肢ではないからです。
購入だけが唯一の解ではないので、もし迷っているのであれば、思い切って賃貸を選ぶことをおすすめします。
賃貸は、柔軟性や経済的な負担を軽減する面でメリットがあるのです。
もちろん、将来的に購入することを検討する余地も残されています。
そして、自分自身の状況や優先事項を考慮しながら、最善の選択をすることが大切です。
あなた自身が自信を持って選んだ方が、結果的にはより満足感を得られることでしょう。