ホームインスペクションって誰が行うの?メリットとデメリットを解説

不動産

ホームインスペクション(住宅診断)は、住宅の状態や問題点を詳しく調査し、改修が必要な箇所や費用などをアドバイスするサービスです。

このサービスは、購入する前の中古住宅の調査に広く活用されており、欧米では一般的ですが、日本ではまだあまり知られていません。

しかし、2016年の宅建業法改正により、不動産業者は売買の仲介時に住宅診断を行うかどうかの意向確認を義務付けられたため、これからは日本でもホームインスペクションの利用が増えることが予想されます。

インスペクションの種類

ホームインスペクションの種類について見ていきましょう。

中古住宅売買時のインスペクション

中古住宅を売ったり買ったりする場合、契約を結ぶ前に売主や買主が行うのがインスペクションです。

インスペクションにより、引き渡し後の問題が起きることを予防し、古い住宅でも安心して購入することができます。

これにより、消費者は取引に安心感を持つことができるのです。

リフォーム実施時のインスペクション

大規模なリフォームを行う前後には、インスペクションが行われます。

インスペクションとは、建物や施設の状態を詳しく調査し、必要な修繕や補修を特定することです。

リフォーム前のインスペクションでは、建物の現状をチェックし、改修が必要な箇所を特定します。

これによって、リフォームのスコープや必要な作業内容を正確に把握することができます。

一方、リフォーム後のインスペクションは、リフォーム作業が完了した後に行われます。

このインスペクションでは、リフォームがきちんと完了しているかどうかを再度確認します。

具体的には、改修された箇所が適切に修正・改善されているか、安全基準や品質基準に適合しているかを確認します。

これによって、リフォーム工事の進捗や品質に問題がないかを把握することができます。

また、施主や関係者との認識の齟齬を防ぐためにも重要な作業です。

リフォーム前後のインスペクションを通して、安心してリフォーム工事を進めることができるでしょう。

新築入居時のインスペクション

新築住宅であっても、必ずしも安全で信頼できるとは限りません。

ですから、新築住宅を購入や入居を検討する際には、専門家によるチェック(インスペクション)が重要です。

このチェックでは、主に内覧会などに同行し、住宅に問題がないかを専門家が詳しく確認します。

工事の品質や施工に関する問題、耐震性や断熱性などの安全性、配管や電気設備の問題などを把握することができます。

それによって、購入した住宅が本当に問題なく安心して暮らせるかを確かめることができます。

インスペクションをするメリット

インスペクションの実施には、以下のようなメリットがあります。

売買契約当事者のメリット

中古住宅を売買する際、買家はインスペクションを行うことで、住宅に問題がないかを専門家にチェックしてもらい、安心して購入することができます。

同様に、売り手もインスペクションを利用することができます。

売り出し前にインスペクションを実施することで、住宅についての安心感や安全性を示すことができます。

これにより、他の中古物件との差別化が可能となり、場合によっては相場よりも高く売れることもあります。

住宅の状態を明確にし、買主に情報を提供することで信頼感を与えることができます。

また、書面で建物の状態をしっかり報告することで、売却後のトラブルを未然に防ぐことができます。

つまり、インスペクションは中古住宅の売り手と買い手の両方にとって重要なメリットがあるのです。

中古住宅流通の活性化

ホームインスペクションは、中古住宅を購入する際に心配な点(管理や経年劣化による品質のバラつき、新築と比べて情報が少ないなど)を解消することができるということで、ホームインスペクションが一般的になることで、中古住宅の取引が活発になる可能性があります。

また、日本では中古住宅は評価されにくく、築20年以上経過している場合は建物の価格がほぼゼロとなってしまい、担保価値がほとんどないと見なされる傾向があります。

しかし、ホームインスペクションの普及により、中古住宅でも安心して購入する人が増えれば、中古住宅の適正な評価が行われるようになる可能性があります。

これにより、売主はより容易に売却でき、買主は銀行の融資を受けやすくなるため、購入を決断しやすくなるでしょう。

その結果、中古住宅の取引が活性化するという大きなメリットがあります。

インスペクションの注意点

インスペクションは、一般消費者には見えない隠れた欠陥を事前に発見することができるため、買い手の安心感を確保するために重要です。

ただし、インスペクションにはいくつかの注意点があります。

まず、インスペクションの実施には時間がかかる可能性があります。

物件の引き渡しまでに余分な時間を要することがあるため、予定に余裕をもって計画する必要があります。

また、インスペクションには費用がかかります。

専門家の料金や機器の使用料などに加えて、必要に応じて修繕や改善にかかる費用も考慮する必要があります。

さらに、インスペクションを行う場合は所有者の承諾が必要です。

特に中古住宅を購入する場合は、売主の許可を得ないとトラブルが発生する可能性があります。

誰でも勝手に自分の家を検査されることには賛成しませんので、中古住宅のインスペクションを希望する場合は、必ず売主の承諾を得る必要があります。

まとめ

昔とは異なり、最近の木造一戸建て住宅はその性能が大幅に向上しています。

そのため、築20年以上経っている中古住宅でも十分な価値があると言えるでしょう。

もしインスペクションが広く普及すれば、中古住宅の価値が再評価され、それによって住宅ローンの組みやすさも改善されることが期待されます。

また、インスペクションを実施すれば、一定の費用はかかりますが、それによって購入後に隠れた欠陥などのリスクを回避できると考えると、費用は高くはないと言えるでしょう。

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